若手研究者奨励賞

受賞論文一覧

 
〇2018年度

 1920年代日本におけるアナーキズム思想史の再検討――クロポトキンの受容と解釈を中心として」

                                   蔭木達也
(オンラインジャーナル『総合人間学研究』第13号掲載)
 
〇2015年度

 「環境徳倫理学研究における環境徳と受傷性〈Vulnerability

                                   熊坂元大
(オンラインジャーナル『総合人間学』第10号掲載)
 
 
〇2013年度

若手研究者奨励賞の発表にあたって

2014年3月15日
「若手研究者奨励賞」選考委員会

2013年度学会誌『総合人間学』への若手研究者の投稿論文のうち、編集委員会での審議を経て、二編が本委員会の選考の対象になった。前年度は残念ながら、受賞論文がなかったが、今回は、以下の二編の受賞作を得て、誠に喜ばしいことである。

ひとつは、上柿崇英氏の「「自己家畜化論」から「総合人間学的本性論・文明論」へ―小原秀雄「自己家畜化論」の再検討と総合人間学的理論構築のための一試論」であり、もうひとつは、布施元氏の「現代社会の〈共〉に関する人間学的考察―〈共〉の構想性と倫理性に触れて」
である。

いずれの論文も、総合人間学会における問題意識を背景にして、現代的な問題の取り上げ方、分析の鋭さ、論理展開の明快さなどの点で、本賞に値するものとして、委員会委員の全員が一致しておすところとなった。

お二人にはお祝いの言葉を送ると共に、今後の一層の活躍を期待したいと思う。

これを機に、若手のみなさんには、今後も、アクチュアルな問題意識を明確にもち、自分の見解を積極的に展開したものであれば、分野を問わないので、積極的に応募してもらえれば幸いである。

「自己家畜化論」から「総合人間学的本性論・文明論」へ―小原秀雄「自己家畜化論」の再検討と総合人間学的理論構築のための一試論

上柿 崇英

【受賞の言葉】この度はこのような形で賞をいただき、また立派な記念品をいただきまして、まずは審査委員の先生方や関係者の方々に、改めて感謝を申し上げます。恐縮するとともに、本学会に対してできる限りの貢献をさせていただきたく、気持ちを新たに致しました。特に本学会の活性化のためには、「“総合”の方法論」の研究や“総合”を実践する小研究会の立ち上げなどが重要な意味を持っていると思いますので、今後はそうした点で努力していくことができればと考えております。会員の皆様も、引き続きよろしくお願い致します。

現代社会の〈共〉に関する人間学的考察―〈共〉の構想性と倫理性に触れて

布施 元

【受賞の言葉】どんな論文であっても純粋な単著というものはなく、すべては何らかの共著、共同作業の結果だ、と思っています。ですから、この度の受賞は、形式上は個人的なものですが、実質的には、この論文に携わっていただいたすべての方――とくに、議論や助言によって私を触発してくださった若手やベテランのみなさん――との共同受賞だ、と考えています。そうした意味でも、この賞は、人間のある種の共同性を確認できる一つの大切な制度である、と実感しています。

(オンラインジャーナル『総合人間学』第8号掲載)